戒 定 慧の三学
忍耐、堪忍は最上の苦行であり、涅槃は最勝である。
そしらず、害わず、戒律を守り、食事の節度を知り、一人離れて坐臥し、高度の思索に専念する。
これが諸仏の教えである。
戒
戒とは身に於いて、一、暴力を離れて、二、与えられないものを盗ることを離れ、三、淫乱を離れることである。
言葉に於いて、一、嘘を離れ、二、陰口を離れ、三、悪口を離れ、四、無駄口を離れる。
心に於いて、一、執着を離れ、二、怒りを離れ、三、妄想を離れることである。
定
定とは一、感官を守り、
二、正念正智にして、
三、満足を知ることによって、
心を安定させることである。
感官を守るとは
見えるものへの、執着、好みを離れる。
聞えるものへの、執着、好みを離れる。
臭いへの、執着、好みを離れる。
味への、執着、好みを離れる。
触れるものへの、執着、好みを離れる。
意識するものへの、執着、好みを離れる。
正念正智とは
歩きつつ、「歩いている」と知り、
立ちつつ、「立っている」と知り、
坐りつつ、「坐っている」と知り、
横になりつつ、「横になっている」と知り、
前を見つつ、「前を見ている」と知り、
後ろを見つつ、「後ろを見ている」と知り、
腕を曲げつつ、「腕を曲げている」と知り、
腕を伸しつつ、「腕を伸している」と知り、
食べつつ、「食べている」と知り、
噛みつつ、「噛んでいる」と知り、
味わいつつ、「味わっている」と知り、
大小便にも、行くにも、立つにも、坐るにも、眠るにも、覚めているときも、話すときも、黙っているときも、
その瞬間を知ることである。
満足を知るとは、身を包む服と、身を養うだけの食で、満足することである。
慧
慧とはこのように心定り、清まり、浄化され、汚れなく、煩悩を離れ、柔軟にして、適応性あり、しかも安定して、不動の状態にあるとき、智恵による洞察に心を向ける。
「この身は、色、形あるものであり、元素から成り、父母によって生れたもの、食物によって成長したものにすぎず、無常、破壊、粉砕、分裂、壊滅、の性質のものである。
そして、私の心は、これに依存し、これに執着している」
このように心定り、清まり、浄化され、汚れなく、煩悩を離れ、柔軟にして、適応性あり、しかも安定して、不動の状態にあるとき、想像力によって身体を創造することに心を向ける。
この身体からもう一つの完全円満なる身体を作り出す。
このように心定り、清まり、浄化され、汚れなく、煩悩を離れ、柔軟にして、適応性あり、しかも安定して、不動の状態にあるとき、様々な神通力(智慧)を得る。
このように心定り、清まり、浄化され、汚れなく、煩悩を離れ、柔軟にして、適応性あり、しかも安定して、不動の状態にあるとき、漏尽智に心を向ける。
「これは苦である」と如実に知り、「これは苦の原因(集)である」と如実に知り、「これは苦の滅である」と如実に知り、「これは苦の滅に至る道である」と如実に知る。
このように知り、このように見るから、その心は愛欲の汚れ(漏)から解脱し、存在の汚れから心が解脱し、無明の汚れから心が解脱し、「解脱において解脱した」との智慧が生じ、「生存は既に尽き、梵行は既に完成され、為すべきことは既に成され、もはや再生のあることがない」と知るのである。
慧(神通力)は、漏尽智を最高としている。漏尽智とは、四聖諦の理法によって解脱を得ることである。
在家信者の戒律(五戒)
不殺生 = 生き物を殺さない不偸盗 = 与えられないものを盗らない
不邪淫 = 愛の無いセックスをしない
不妄語 = 嘘をつかない
不飲酒 = 酒を飲まない(酒・麻薬・覚せい剤等) スポンサーリンク
「仏教」No.1:「戒 定 慧」[2008/05/09 10:28:45]
比丘たちよ、心静かに思索に努めよ。静かに思索するものは在るがままに了知する。 何を在るがままに了知するのであろうか、 「これは苦なり」と在るがままに了知する。 「これは苦の生起である」と在るがままに了知する。 「これは苦の滅尽なり」と在るが・・・
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「仏教」No.2:「聖諦 四聖諦 四諦」[2008/05/10 10:37:17]
思惟するときは、「これは苦なり」と思惟せよ。 「これは苦の生起なり」と思惟せよ。 「これは苦の滅尽なり」と思惟せよ。 「これは苦の滅尽に至る道なり」と思惟するがよい。 それらの思惟は、よく利益をもたらし、梵行の出発点となり、厭離・離貪・滅尽・・・
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「仏教」No.3:「正思 思惟 考え方」[2008/05/10 12:43:55]
釈尊にとって、大問題であったのは、生死の苦とこの世界からの解放、つまり出離(解脱)であった。 縁起とは、苦の縁て起る原因を追究することである。 「これあるとき彼あり」「これ生ずれば彼生ず」 「これ無きとき彼無く」「これ滅すれば彼滅す」 これ・・・
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「仏教」No.4:「釈尊 解脱 目標」[2008/06/10 12:52:20]
老死苦悩、生、有、取、愛、受、触、六処、名色、識、行、無明。 無明、行、識、名色、六処、触、受、愛、取、有、生、老死苦悩。 無明とは 無自覚 苦についての無智・苦の生起についての無智・苦の滅尽についての無智・苦の滅尽に至る道についての無智 ・・・
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「仏教」No.5:「縁起 えんぎ」[2008/06/11 02:10:11]
四念処とは 四念処を実修すれば、阿羅漢の完全智が得られるか、執着が残っても、この生存には戻らない不還が得られる。 四とは何か 此処に身体に於いて身体を観察して、熱心に正智正念にして、世間に対する貪欲と憂いとを制御する。 此処に感受(楽、苦、・・・
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「仏教」No.6:「念処 四念処 観察」[2008/06/14 19:25:43]
四正勤(正しい努力) 不善を断ち 善を起す 断断 悪・不善を断滅するように、意志を起し、努力し、精励し、心をはげまして立ち向かう。 すでに生じている悪業を無くそうと決意して、それを熱心に注意深く実行して行くこと。 律儀断 悪・不善を生じな・・・
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「仏教」No.7:「正勤 精進 努力」[2008/06/18 13:31:51]
四如意足 四神足 四如意足あるいは四神足については、教典の記述が少なく、内容も理解しがたいことを書かれていますので、私ごときにはとうてい解明できないもののようです。 できる限り書籍等で調べていますが、私の納得できる内容は殆ど見ることができま・・・
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「仏教」No.8:「如意足 神足 神通」[2011/10/08 15:57:11]
五根・五力とは五つの資質と能力と言換えて良いかと思います。 信・精進・念・定・慧 の五つをいい、 信 :信念 精進:反復 念 :思念 定 :禅定 慧 :智慧 信根・信力 如来の智慧(真理の法)を信じる。法は世尊により善く説かれた、それは現に・・・
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「仏教」No.9:「信念 努力 念 定 慧」[2008/07/02 13:45:06]